メールマガジン

2007年

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◆◇◆FMIC メールマガジン◆◇◆
2007年10月25日 第14号 https://fmic.jp/

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FMICはJMAC(日本能率協会コンサルティング)とドイツのIMIG社による戦略的合弁企業として設立されたコンサルティング企業です。企業の成長 戦略デザインとその実現化プロセスをサポートします。

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~未来開発経営/戦略デッサンノート(12)~
「自ら未来を創るための10ケ条その1:一人称」 
                        FMIC 大岩和男・岩崎壽夫

未来開発経営の基本コンセプトは「未来は来るものではなく創るもの」です。
しばらく、中断してしまいましたが、前回のメールマガジンシリーズでは、SHINKA戦略ということで、未来事業戦略の着眼マップについて考えてきました。2007年の秋も深まり、各社では来期以降の戦略や事業計画が始まっています。今回のシリーズは「自ら未来を創る」を基本テーマにして、「自ら未来を創るための10ケ条」ということについて考えてみたいと思います。

「自ら未来を創るための10ケ条その1」は「一人称」です。一人称とは、辞書的には「私、われわれなどの代名詞」です。未来開発経営における「一人称」とは、将来課題を"自分ごと"で発想し、自らが先導役になって未来づくりを推進する人やチームを意味しています。ここで重要なことは、あえて言うまでもありませんが、「一人称」とは「唯我独尊」「ミーイズム」でなく「客観性に裏付けれた一人称」ということです。
では、なぜ「一人称」が重要なのでしょうか?国も企業も一般の組織もちょっと油断すると、
・評論はうまいが行動は他人まかせ
・方針や指示が無いと動けない指示待ち族
が生まれてきます。例えば、
・問題点や要因はとうとうと解説するが自己改革無し
・我が社は人材不足となげくわりに、育成や採用は人まかせ
等です。逆に、成長する組織には一人称人材が多数います。すなわち、「思考は三人称で客観的だが行動は一人称で主体的」というような人たちです。

一人称という言葉や概念が企業の革新活動を成功に導いた典型的な事例をみてみましょう。
○情報機器A社
A社は日本を代表する情報機器メーカーです。1990年代前半、インターネット本格普及を控え、製品アーキテクチャーや商品技術・業務プロセスを抜本的に変革する必要性に迫られていました。しかし、多くのメンバーは、変化の波はもっとゆっくりと・・というというような受け止め方でした。この内部思考の体質を変えたのは当時のW事業本部長の「一人称発想をしよう」という方向づけでした。製品技術が大きく変化する時代にあって、問題点議論ではなく、各人が先導役になって変化を創造する必要があるからです。5年間にわたる一人称コンセプトによる事業改革活動の結果、A社では製品分野の再構築、組織改革を完了し、ユビキタス時代のリーダー企業に生まれ変わっています。

○機械B社
B社は日本を代表する機械メーカーです。1990年代初期に全社的な21世紀委員会が組織化されました。それまでの成功に甘んじることなく、21世紀を展望して何をすべきかを検討するためです。その議論のなかから、組織・人材分野で浮かび上がった課題が「一人一人が自ら考え自ら動くようなチームマネジメントセルフマネジメントの強化」でした。この議論をきっかけにB社では技術者集団のセルマネジメント強化活動を継続的に展開。21世紀に入りグローバルに事業が成長する要素のひとつになりました。

このような企業レベルの一人称だけではなく、現場レベルでたくさんの一人称人材に会います。
・ 業務改革担当であるが、未来開発に組織の壁を越えて挑戦しているCさん
・ 商品企画が行き詰っているときに自ら客先行脚をして新コンセプトを提案したDさん
・ 社内新聞を自ら創刊し、社内の良い出来事を記事化して組織を元気にしているEさん
・ 冷たい視線のなかで10年がかりで新素材を開発し、21世紀の事業を育てたFさんチーム
・ 細分化組織の非効率さを自職場で改善実験し、全社のモデルになったGさんチーム
・ 未来開発ワークショップの提案を実行に移すべく、自ら新規事業部長に立候補したHさん
・ 現場での毎日の発見をメルマガ発信し、それを通じてマネジメント革新を研究をするIさん
・ 現場の改善活動の発表を聞きながら、社長としての自分の役割を考えるJさん
等々。

未来開発経営における「一人称」思考のポイントは「ありたい姿を人のために構想し」「自分ごとで行動し」「そのプロセスや変化を楽しむ」という点にあると思います。JAIST北陸先端大学の近藤教授の言葉に「人間・時間・空間の"間"のマネジメントを重視せよ」という教えがあります。自分だけの「**したい」ではなく、客観的思考力に裏づけられた一人称人材が未来開発の先導役として活躍できる組織そういう人が育つ組織は総じて元気な組織です。

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◆◇◆編集後記◆◇◆

東京タワーの近くを通ったら、「2016」という文字が。
2016年東京オリンピック招致運動アピールのためでした。もし、東京に決まったら誰と何を見に行こうかと、五輪カラーのカラフルな文字を見ながら、9年後の未来に、心をはせました。

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