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創造性を高める経営 インタビュー: インターナショナル・マネジメント・アンド・イノベーション・グループ
プレジデント M.ハートマン氏 Dr. Matthias Hartmann

聞き手:堀田佳男

世界経済は激震が走り、2009年を迎えてもその先には暗雲が立ち込めている。だが、いつの時代にあっても、事業の創造と新製品の開発は生き残りの要件であることに変わりはない。ヨーロッパを中心に企業の新事業開発などの経営支援を行うIMIG社のCEOハートマン氏に創造性を高める経営のあり方を聞く。

ドイツ企業にみるグローバル化成功のカギ
フューチャーマネジメントで世界進出に挑め (1)

世界市場で業績をあげるために

私がCEOを勤めるドイツのIMIG(インターナショナル・マネジメント・アンド・イノベーション・グループ)は過去10年間、世界中に事業の足がかりを築いてきました。日本をはじめ、中国、ヨーロッパ諸国、アメリカ、メキシコの製造業者に、イノベーション・マネジメント、サプライチェーンマネジメント、オプティマイゼーションといった分野の経営コンサルティングを提供しております。

世界には優れたコンサルティング企業がたくさんあります。グローバルに展開する大企業がある一方、地元密着型の中小コンサルティング企業もたくさんあります。事業のインプリメンテーション(執行)支援などが彼らの主業務です。

わが社の特色は、戦略マネジメントと同時に実施展開のコンサルティングも行う点にあり、そのため経験豊かなコンサルタントを擁しています。大手コンサルティング企業では一般的に、約10%のコンサルタントだけが経験豊かで、残り90%は経験の浅い若いコンサルタントといわれています。 しかし、私どものコンサルタントは最低でも10年の経験がないと採用しません。そうでないと書類上のコンサルティングはできても、事業の実施展開を手助けできないのです。ですからわが社には、世界中に75人のコンサルタントしかおりません。過去10年間年間成長率は平均30%を超え、持続的な成長を続けています。

私どもが実施している「次世代経営者育成プログラム」は、わが社と日本FMIC社(フューチャー・マネジメント・アンド・イノベーション・コンサルティング)が共同で立ち上げたものです。グローバルな視点を持った企業経営者に向けて、5つの柱からプログラムを進めていきます。

グローバルな視点とは、企業が世界市場に進出して業績を上げることです。私どもの狙いは、国内市場や特定地域の需要に依存している企業が今後、グローバル化を図ることです。

5つの柱とは、「経営戦略の構築」「グローバルおよびローカルのサプライチェーン・マネジメント」「イノベーション・マネジメント」「リーン生産方式」そして「リーダシップと変革」です。さらに、プログラムに参加すればプロダクト・マネジメント、ヒューマン・リソース・マネジメントなどを活用しながら、他国の文化、しかも一つの国内にある地域差も深く理解していけます。