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◆◇◆FMIC メールマガジン◆◇◆2007年11月24日 第16号 https://fmic.jp/
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FMICはJMAC(日本能率協会コンサルティング)とドイツのIMIG社による戦略的合弁企業として設立されたコンサルティング企業です。企業の成長 戦略デザインとその実現化プロセスをサポートします。◆―――――――――――――――――――――――――――――――――◆
~未来開発経営/戦略デッサンノート(14)~「自ら未来を創る:その3:Thank you・未来顧客起点」
FMIC 大岩和男・岩崎壽夫
未来開発経営の基本コンセプトは「未来は来るものではなく創るもの」です。
2007年10月からの「自ら未来を創るための10ケ条」シリーズでは、
その1:一人称
その2:2軸思考
ということについてふれてきました。今回はその3「サンキュー:Thank you:未来顧客起点」ということについて考えてみたいと思います。
Thank you 未来顧客起点とは、未来開発の検討にあたり、将来顧客価値や将来顧客への貢献についての検討を起点に未来開発の議論を深める、ということを意味しています。顧客価値の検討や顧客満足向上についての研究や取組みをおろそかにしている企業はありません。しかし、考えてみるべきは、その視点や貢献レベル設定です。未来開発経営においては、顧客価値の水準視点として以下の3つを設定しています。
①役にたつ会社
・明示されたニーズに応える会社
・技術的に時代の変化に対応している会社
・今日の仕事がキチンとできている会社
②頼りになる会社
・顧客を満足させるだけでなく感動を提供する会社
・技術的に自ら独自分野を創造する会社
・明日の仕事がキチンとできている会社
③期待される会社
・新しい市場や価値を創造する会社
・取組みの実現を顧客が待ちわびている会社
・未来づくりが組織的にできている会社
総じて多くの日本企業は「①役にたつ会社」としての見方が日常マネジメントのものさしになっている傾向が見受けられます。現在の顧客を大切にし、顧客のために新商品開発、品質・コスト・納期の改善に努力する。それはそれで重要なことですが、一方で、企業活動の原点は将来の価値発見や将来の顧客に向けた活動です。今日の顧客ニーズだけに焦点をあてるだけではなく、未来の顧客価値研究を行なうことは、最終的には今日の顧客への貢献に繋がるでしょう。そのようなことは、いまさら言わなくても、誰でもわかっていることですが、現実には、多くの企業において、様々な要因で今日の仕事に忙殺されがちです。そのようななかでも、未来顧客価値起点で事業の発展を実現しているいくつかの事例をみてみましょう
①今日の顧客の”明日”に焦点をあてる
情報システムA社は日本を代表するシステムインテグレーターです。多くの既存顧客資産をもっていますが、既存の事業にだけ甘えるのではなく、顧客の経営課題を知り抜いている強みを活かして、既存顧客の明日を研究しています。その研究のなかから、次世代サービスの構想と提案が行なわれ、顧客満足向上と事業の発展につなげています。
②明日の顧客の”兆し”に焦点をあてる
自動車部品B社は世界トップクラスの製品をもつカーエレクトニクス事業を展開しています。従来は個々の顧客要求や個別の市場動向に振り回されがちでした。未来開発経営の導入にともない、「今日のお客のニーズ分析」だけではなく「明日のお客の兆し分析」に力を入れるようになりました。組織的・体系的なマーケットクリエーション活動を通じて事業の競争力強化に貢献しています。
③未来市場実現のために”共鳴者”を仲間にする
エンジニアリングC社は世界的なエンジニアリングメーカーです。未来のエンジニアリングサービスのあるべき姿を実現するためには自社だけでは限界があることを理解し、未来図や進化ロードマップを公開。世界の大学や企業に情報を提供し、賛同・共鳴する仲間と未来づくりの研究を展開中。自らが先導役になることで、仲間作りを進めるとともに、自社の体質革新にも活かしています。
「変化の激しい社会では、現在が終わった頃に現在が見える」という言葉があります。これは顧客マネジメントについても同様でしょう。「変化が激しい社会では顧客ニーズが満たされた頃に、顧客ニーズが見える」とは言えないでしょうか?日々の企業活動はどうしても今日のことに忙殺されがちになりますが、そのようななかでも、「未来顧客起点で自社が将来に向けて取り組むべきことに刺激を与える」「未来顧客視点で将来の価値開発について構想を練ってみる」、すなわち、未来の顧客に感謝するというような未来思考は未来開発経営のレベルをあげることができるでしょう。
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◆◇◆編集後記◆◇◆急に気温が下がり、こたつの恋しい季節になってきました。でも冬の冷たい空気は、心身ともにキリッとさせてくれるような気がして好きな季節です。
身体が縮こまってしまいがちな季節ですので、背筋をしゃんとして歩きたいと思います。
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