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【ビジネススキル】 未来戦略のススメ

(第8回)未来戦略SHINKAマップ法
~新化戦略で飛躍的革新に挑戦する~

企業の目指す姿鮮明に

未来戦略経営の基本は「未来は来るものではなくて自ら創(つく)るもの」です。では、どんな視点で未来を考えたらいいのでしょうか?未来戦略を検討するためのフレームワークのひとつがが未来戦略SHINKAマップです。

ここでSHINKAとは「深化」「進化」「新化」「伸化」です。未来戦略SHINKAマップは当社が約80社の事業成長のケーススタデイの中からパターン化したものです。具体的な意味合いをみてみましょう。

ひとつ目の「深化」とは「現在のコアコンピタンス(競争能力)を深める戦略」です。現在の商品・技術・組織の強みをさらに磨きぬくことで、顧客価値向上に努めます。これは多くの日本企業が最も得意としてきた戦略です。

SHINKAマップ

未来戦略経営の基本は「未来は来るものではなくて自ら創(つく)るもの」です。では、どんな視点で未来を考えたらいいのでしょうか?未来戦略を検討するためのフレームワークのひとつがが未来戦略SHINKAマップです。

ここでSHINKAとは「深化」「進化」「新化」「伸化」です。未来戦略SHINKAマップは当社が約80社の事業成長のケーススタデイの中からパターン化したものです。具体的な意味合いをみてみましょう。

ひとつ目の「深化」とは「現在のコアコンピタンス(競争能力)を深める戦略」です。現在の商品・技術・組織の強みをさらに磨きぬくことで、顧客価値向上に努めます。これは多くの日本企業が最も得意としてきた戦略です。

ふたつ目の「進化」とは「バリューチェーン(価値連鎖)の進化戦略」です。現状のビジネスモデルや製品体系にとらわれずに、新たな価値提供の仕方を構想します。たとえば、米GEの航空会社サポート事業が有名です。エンジン単体売りだけではなく、エンジンに対するメンテナンスサービスとエンジニアリングを体系化。顧客満足向上と高収益事業化を実現しています。

みっつ目の「新化」とは「斜め飛び戦略への挑戦」です。現在の事業の延長線ではなく、あえて、斜め飛び分野への飛躍を構想します。斜め飛びのためには「未来へ」ではなく「未来から」の発想が要求されます。ヤマト運輸の宅急便事業は「企業顧客向けの大量輸送」ではなく「家庭の個別配送」に目を向けて開発されました。また、アップル社のiPodはインターネットによる音楽配信により、人々の利便性を向上させました。

よっつ目の「伸化」とは「市場の育成戦略」です。既存市場内の競争(レッドオーシャン)ではなく、顧客価値の創造を通じた新たな市場創造(ブルーオーシャン)を目指す戦略です。

未来戦略経営の視点では、特に、「進化」「新化」「伸化」の検討をおすすめします。先にも触れたように「深化戦略」は日本企業の得意技です。それゆえに、将来議論の際に、どうしても「深化」議論になりやすいからです。

企業における未来戦略SHINKAマップの活用例をみてみましょう。精密機器A社ではSHINKA戦略を全社的な研究開発戦略の見直しに活用しています。将来事業の方向を4つのSHINKAで確認したうえで、個々の研究開発のゴール・体制・シナリオの見直しを行ないました。結果として「新化分野」への重点投資ができるようになりました。

また、貴金属素材のB社では将来事業開発のシナリオづくりに活用されました。従来はともすると、既存の延長線上のビジネスプランになりがちですが、SHINKAマップを使うことで事業シナリオの練上げと開発速度の向上が進みました。

自動車C社では、幹部社員がチームをつくり、中長期戦略の見直しにSHINKA戦略を活用しています。自動車市場がグローバル化した現在では、様々なリスクやチャンスが拡大しています。SHINKA戦略議論で思考の幅を広げたうえで、次期の事業戦略立案を展開しています。あるべき姿が鮮明になることで、事業戦略上の重点化が進みました。

未来戦略SHINKAマップは未来事業だけではなく、日々の仕事に応用可能です。「課題の重点化」「商品やサービス開発のアイデアマップ」「経営や事業運営のやり方改善」等には現場レベルでも活用されています。

年度末を控え、多くの企業では、来期の予算策定等に忙しい時期です。このような時期にでも、少し立ち止まって、SHINKAの方向を確認することが自社の未来づくりにつながっていくでしょう。

〔FMIC: フューチャーマネジメント アンド イノベーションコンサルティング〕