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FMICメールマガジン第111号(2022.1.19)

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                    「イノベーションの想像」第3回
              ~QRコードはこうして電車の中でひらめいた~

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 こんにちは、昨年12月にはアメリカで大竜巻、フィリピンでスーパー台風、 新年に入るとトンガで海底火山の巨大噴火と、最近、立て続けに地球は自然災害に 見舞われています。まずは、被災された方の無事を祈るばかりです。またそうした 現地の人への支援に欠かせないのが想像力、現地で困っていることは何かを想像し、 速やかに手を打つ。その点でニュージーランドのアーダーン首相はえらいと思います。 火山灰で覆われた島で生きるのに欠乏するのはまず飲み水と、動き始めたようです。 それに比べて日本は内向きばかりで・・・
 それはさておき、今回もイノベーションの「想像力」について考えてみたいと 思います。  早速ですがQRコードを使わない日はないという方もいるのではないでしょうか。 そのQRコードを発明したのが原昌宏さんです。今回は、彼のイノベーションアイ ディアの閃きを振返ってみます。

1)なぜ閃きは起こった?
Before -1)発想を自由にする間
 1990年ころの工場の生産管理に一次元バーコードが使われていました。また 原昌宏さんは当時デンソーで、バーコードを読み取るOCRのエンジニアでした。 工場の担当者から「バーコードの読取に時間がかかって大変、なんとかして欲しい」 と依頼を受けました。しかし従来の一次元バーコードでは情報量が限界と判断し、 二次元コードを検討し始めたそうです。ところがそれまでの二次元コードのシンボル では、従来のバーコードより20~30倍の読取時間がかかることから、どうやって 読取速度を向上させるかが課題でした。しかしいいアイディアが浮かばず、悶々と されていたとのことです。  そんなころ戯れに自分の脳波を測定してみると、脳がリラックスしているときに 出るというα波が、職場では出ずに景色を見ている時に出やすいと分かりました。 それで通勤電車に乗るときには、外の景色を見るようにしていたそうです。ある時、 電車で外を見ているとビルに目が留まったそうです。  最上階の窓に特徴のあるビルは、認識しやすいのではないか?という仮説が閃き ました。またそれを二次元コードに応用すれば、その読取速度を速くできるのでは ないかと思ったそうです。

Before -2)知の蓄積と共創
 デンソーではそれまでに、生産現場用バーコードとリーダーを開発し、それを スーパーのPOSに展開するビジネスをしてきていました。またその中で独自の二次元 コードも開発してきたそうです。そうした事業を通して、誤読取等のバーコードを使う 現場での知識が蓄積していたということです。  さらに、1987年ころから幾つかの二次元コードが世界で開発され、その動向調査の 結果、夫々のコードには長所と同時に短所があり、決定版はまだないと認識していた そうです。

Before -3)発想を膨らませる志
 彼はエンジニアとして『世の中にないものを生み出す仕事をしたい』という志を 持っていたそうです。また二次元コードの開発を決めた際にも、工場担当者からの 依頼に応えるだけでなく、工場、流通、他業界で活用でき、世界一のコードにしたい というビジョンがあったようです。これらの志が、彼の考えた二次元コードを、様々 な電子的な情報提供や決済にまで用途拡大可能なものにしたと考えられます。

2)なぜ閃きを活かせた?
 彼と同じように、「最上階の窓に特徴のあるビルは、認識しやすい」と考えた人が いる可能性は高いと思われます。ではなぜ彼は、そのアイディアから新しいQRコード を発想ができたのでしょうか。次は閃きの後の振返りをしてみます。

After)アイディア熟成と実験検証
 彼の電車の中でのひらめきは、その後、二次元コードの3つの隅に、特徴的な模様を つけて目印にするという“切り出しシンボル”のアイディアに昇華しました。またこれを 使うことで、コードの存在だけでなく、上下左右の認識まで容易にできるものになりま した。ただし、その特徴的な模様とはどういう物かという命題が残りました。そこで彼 のチームは、3か月に渡って世界中の印刷物を収集、解析し、遂に切り出しシンボルに 使う模様の黄金比(1:1:3:1:1)を発見しました。これによってQR(Quick Response) コードが生まれたのです。

 次回は『イノベーションの想像』シリーズ第4回として、PCR検査の原理を発明した キャリー・マリス博士の閃きの間を紹介する予定です。
                         (FMIC シニアコンサルタント 下垣彰)

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