- 2022
- 第118号→ 『リスク想定・対応力強化① リスク分析実践の課題』 第117号→ 『日常業務のリスクに対峙する力が価値創造につながる』 第116号→ 『顧客価値を高めて成長し続けている企業の「考え方」・「取組み方」』 第115号→ 『体験してみよう メタバース』仮想空間でのコミュニケーションを実感する 第114号→ F一般社団法人日本エシカル推進協議会(JEI)に加盟しました 第113号→ FMICセミナー「世界シェア1位商品への成長要因」 ー業種の違うSMC、シスメックス事例からー 第112号→ 「イノベーションの想像」第4回~デートの車運転中に閃いたPCR検査の原理~ 第111号→「イノベーションの想像」第3回~QRコードはこうして電車の中でひらめいた~ 第110号→「イノベーションの想像」第2回~スターバックス、ひらめいた訳と実現できた訳~ 第109号→「イノベーションの想像」第1回~イノベーションのひらめきは誰にでも宿る~
- 2021
- 第108号→「FMIC2022年のキーワードは「柱」」 第107号→「チーム想像力を高めるための3つのWAKU:湧く・沸く・枠組」 第106号→「自職場の”柱”は何だろう?」~あれもこれも時代の思考法~ 第105号→「あの企業は特別だ」と思って諦めている方、必見!調査研究から見えてきた「『営業利益率50%越え企業の工夫』 第104号→「イノベーションを吹き込む『ビジュアルWeb会議』~見える化とフレームワーク~」 第103号→「大谷選手のマンダラチャートで持続成長組織の戦略を俯瞰する」 第102号→7月1日は「未来日記の日」 第101号→「JCLP|日本気候リーダーズ・パートナーシップに加盟しました」
- 2020
- 2014
- 2011
- 2010
- 2009
- 2008
- 2007
- 2006
メールマガジン配信をご希望の方は 所属、氏名、メールアドレス、連絡先を明記の上、こちらまで
FMICメールマガジン第112号(2022.1.24)
◇―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――◇
「イノベーションの想像」第4回~デートの車運転中に閃いたPCR検査の原理~
◇―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――◇
こんにちは。毎日のようにコロナ感染者数が新記録とうれしくないニュースを 聞きます。日本のコロナ第5波のピークは昨年8月20日で、新規感染者25,992人、 その日のPCR検査166,663件、その比率16%でした。1月20日は新規感染者は 46,199人、PCR検査116,878件、比率40%でした。そんな中、今朝のニュースで 「厚生労働省専門家組織は、検査や外来が逼迫している中で、若い人は検査をせず に臨床症状だけで新型コロナ診断できるよう変更を求めた。ただ提言案には、症状 だけでどう診断するかは明記されていない。」とありました。2年前にコロナパンデミックが始まってからPCR検査体制強化が言われていたの に、相変わらずPCR検査体制ができていない日本って何でしょうか。
ところで「イノベーションの想像」シリーズの最終回は、そのPCR検査に纏わる 話で、キャリー・マリス博士を取り上げます。今、コロナパンデミックの中で、 ウイルス感染の判断はPCR検査によってなされてきました。そのPCR法を発明し、 それでノーベル化学賞を受賞したのが博士です。今回は、彼のイノベーションアイ ディアの閃きを振返ってみます。
1)なぜ閃きは起こった?
彼の発明したPCR法とは、遺伝情報DNAを増幅させるポリメラーゼ連鎖反応の ことです。これを使うとDNAが、10回で1,000倍、30回で10億倍に増幅でき、 様々なDNAの検査、試験が容易になります。
Before -1)発想を自由にする間
彼は1983年にPCR法を考えだしました。そのアイディアを閃いたのは、恋人 とのデートで車を運転している時です。別荘に向かうワインディングロードを見て いると、DNAのらせん構造がほぐれていくような光景が閃き、コンピュータでプロ グラムするようにDNAをルーチンで複製させるアイディアになったそうです。
Before -2)知の蓄積と共創
彼はPCR法が、既知のことと確認済みの方法を組み合わせるだけでできると 思ったそうです。既知のこととは例えば、「自然界のDNAは合成できないが、 DNAの1断片であるオリゴヌクレオチドは簡単に合成でき、それはDNAと結合 できる」であり、確認済みの方法とは「一本鎖DNAの上に結合させた合成オリゴ ヌクレオチドをもとに、DNAを複製して二本鎖にする」、「二本鎖DNAに熱を 加え二本の一本鎖DNAに分ける」などです。即ちその分野の専門的知識があれば、 発想が可能だということです。またそれらの反応サイクルを繰り返すのは、とても 面倒なことだということも分かっていました。一方で彼にはコンピュータプログラ ミングの知識もあったそうです。
Before -3)発想を膨らませる志
彼は、仕事に関して『大きくて素敵な問題を抱えていた』と述べています。DNA 配列解読を簡単にできれば、遺伝子異常の予測や回避等の医学にとても役に立つ。 それだけでなく、人類文明の未来の理解につながると。とても大きなビジョンです。
2)なぜ閃きを活かせた?
彼のひらめいたPCR法は、既知のことと確認済みの方法の組み合わせでできて います。彼と同じような技術、スキルを持ち、このアイディアを閃くことが可能な 人はいると思われます。その中でどうして彼だけが、そのアイディアを世の中に 出せたのでしょうか。そのヒントを求めて、次に閃きの後を振返ってみます。
After)アイディア熟成と実験検証
彼は週明けの月曜日に文献調査をして、その方法をまだ誰もやっていないことを 確認しました。次に彼の所属する研究所内のセミナーでそのコンセプトを発表しま したが、1~2名が「面白い」と言っただけでした。また彼の友人、同僚の誰も 「凄い」とは言わなかったそうです。 しかし彼はその後、実験でその方法を検証します。助手と二人で方法を改良しな がら実験を続け、3か月後にようやく成功第1例ができたそうです。
いかがでしょうか、3つの事例のどれを見ても、イノベーションのひらめきは 誰にでも宿る可能性があるように思えます。ということは、そのひらめきのチャンス を上手く作ること、そして閃いたアイディアを上手く生かすことが、想像力強化の マネジメントとして重要となります。
少し間を置きますが、『イノベーションの想像』シリーズ第5回として、その マネジメントについて考えてみます。
(FMIC シニアコンサルタント 下垣彰)
~~FMIC価値創造プロセスセミナーのご案内~~~~~~~~~
FMICでは短時間でエッセンス習得と応用法が検討できるWEBセミナー を継続開催しています
▸持続的成長に必須の創造力 第1回
「破壊的イノベーションの想像力」
~ひらめきは知の脳内化学反応~
2022年1月25日(火)11時~12時
◆詳細はこちら
https://www.fmic.jp/seminar_event/fmic-seminar_20220125.pdf
◆お申込み
https://fmic-seminar-0125.peatix.com/
▸「企業におけるSDGs」
~その正しい理解と取り組み戦略~
2022年2月10日(木)17時~18時
◆詳細はこちら
https://www.fmic.jp/seminar_event/fmic-seminar_20220210.pdf
◆お申込み
https://fmic-seminar-0210.peatix.com
▸大谷選手のマンダラチャートで俯瞰する
「持続成長組織が打っている手」
~価値創造プロセス F-SMILE<第2回>~
2022年3月9日(火)17時~18時
◆詳細はこちら
https://www.fmic.jp/seminar_event/fmic-seminar_20220309.pdf ◆お申込み
https://fmic-seminar-0309.peatix.com
------------------------------------------------------------------------
▶FMICメールマガジンのバックナンバーはこちら
https://fmic.jp/Mailmagazine/
◇―――――――――――――――――――――――――――――――――◇
FMIC個人情報保護に対する基本方針について https://fmic.jp/policy.htm
メールマガジン及びF-Lab Newsは、株式会社フューチャーマネジメント アンドイノベーションコンサルティング(FMIC)が主催するワークショップに ご参加頂いた方、及び弊社コンサルタントが名刺交換させて頂いた皆さまに お届けしております。受信アドレスの変更、配信の中止、掲載された情報の 転載を希望される場合は、下記までご連絡ください。
E-mail : info@fmic.jp
◇―――――――――――――――――――――――――――――――――◇
(株)フューチャーマネジメントアンドイノベーションコンサルティング
〒105-0003
東京都港区西新橋一丁目6番12号 アイオス虎ノ門
電話:03-6206-1103 FAX:03-6206-1104
◇―――――――――――――――――――――――――――――――――◇